贅沢な日本酒飲み比べ(出世)

お盆休み真っ只中に地元の友人二人と久しぶりに地元で飲みました。チョイスしたお店は「居酒屋 出世」。全国の銘酒が飲める名店です。ラインナップは流動的ですが、十四代や而今、鍋島などの美味しいレア酒が適正価格で飲めます。地元に住んでた時にはよくお世話になりました。

 

静岡と福島

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一人遅れてくるとのことなので先に始めちゃいます。スターティングメンバーの友人は「日本酒は好きだけどあまり詳しくないのでお任せしたい」と言うため、早速冷蔵庫の前に行って選びます。自分は久しぶりの静岡リターンなので「磯自慢 本醸造」を。友人の分は福島の「奈良萬 純米酒」をチョイスしました。

磯自慢、結構好きなお酒で昔は酒蔵まで個人で買い付けに行っていました。蔵に買いに行くとその年一年分の出荷時期の目安が書いてあるチラシをもらえるのですが、夏以降ほぼ毎月のように出る限定酒を、行くたびに次に出るものを3本ずつ予約するというループで買いに行っていました。

当時の冷蔵庫は季節限定酒(純米大吟醸の産地別3部作とか)が数年分保管してあったり、その他の種類(エメラルドとか)もあって磯自慢で溢れかえっていました。今はもう蔵に買いに行けないのでかなり本数が減ってしまいましたが。

 

ちりめんじゃこおろし

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日本酒のアテにオーダーしました。山椒はあまり効いていませんが、日本酒の味を邪魔しないのでこの方が良いです。ご飯にのっけて食べるならもうちょい味があった方が良いかもしれません。

 

三重しばり

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友人は「次もお任せ」とのことだったので、「而今 純米吟醸」と「作 雅の智 純米吟醸」をオーダーしました。両方とも三重県のお酒で、而今は名張市、作は鈴鹿市に酒蔵があります。伊勢志摩サミットで脚光を浴びたりして、今やなかなか入手困難なレア酒です。

味は、どちらも華やかでフルーティ。而今の方が少し酸を感じますが、甘みをうまく引き締めている感じです。どちらも味の傾向が似ているので、飲んでいて「正直、どっちでもいいな」と思いました(贅沢すぎる感想)。

 

ハムカツ

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次のアテには「ハムカツ」を。ポテサラハムカツ部としては、あれば頼まずにはいられない一品です。こちらはいたって普通のハムカツでした。厚すぎず薄すぎず。衣がサクサクで美味。

 

秋田と山形

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ハムカツが油ギッシュでパンチがあるため、スッキリとした日本酒で流すことにしました。オーダーしたのは秋田県の「角右衛門 純米吟醸 直汲み」と山形県の「出羽桜 桜花吟醸酒」です。どちらも生酒です。

「角右衛門」は秋田を旅行した際に知ったお酒です。戦国武将・木村村重(真田幸村とともに大坂夏の陣で戦った猛将)の子孫が立ち上げた木村酒造のお酒だそうです。フレッシュでフルーティ。もろみを搾ってすぐ直詰めして、発酵するガス感を残しているのでフレッシュさが感じられるとのこと。味はメロン的な甘みがありますが爽やかで、嫌な口残りはしませんでした。

「出羽桜 桜花吟醸酒」は山形県出羽桜酒造のお酒です。公式HPには「英国最古のワイン商で王室御用達のBB&R社が初めて扱う日本酒に採用された」と書かれており、海外でも高い評価を受けている実力ある蔵元です。1980年の発売以来、日本に吟醸酒を広めた立役者という評価もあるようですね。確かに飲み飽きせず、スイスイと入っていく美味しいお酒です。スイスイと言っても、新潟の淡麗辛口系とは違い、それなりの味わいもあります。自分はこちらの蔵のお酒だと「雪漫々」がいちばん好きですね。

 

新潟と奈良

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スッキリつながりで「越乃景虎 生酒」をオーダーしました。淡麗辛口系統ではあるんですが、淡麗すぎず味わいのあるお酒です。大学時代の友人がすごく好きなお酒で、当時教えてもらって飲んだら自分も好きになりました。大きなハズレが少ないお酒です。

「大倉 純米生酒 夏うらら」は大将から「面白いお酒があるよ」と勧めていただいたもの。飲み口は甘めなんだけど後から酸の爽やかさが追いかけてきます。ちょっと複雑系な味。最終的にキレよく飲めるサッパリ系の味だと思いました。ラベルのアニメ絵は自分には好みじゃないかな。

 

カニクリームコロッケ

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「出世」といえば定番の「カニクリームコロッケ」。昔は俵状だったと思うのですが、棒状になっていました。味はもちろん美味。メニューにはズワイガニを使っているような記載があった気がします。形は変わってもまろやかな美味しさは変わらず。

 

広島

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ここで二人目の友人が到着したため、日本酒を3種類オーダーしました。フルーティ系の王道に回帰しようと思い、まずは「雨後の月 十三夜 おりがらみ生酒」を。広島県のお酒です。

広島県、旅行に行ってみたら意外と美味しいお酒が多かったイメージがあります。当時は「西の酒?甘いだけなんじゃない?」とか偏見に満ちていたんですが、そんなイメージをひっくり返されました。なかでも自分の地元を代表する銘柄(でも不味すぎて飲みたくない)と同名の「花の舞」というお酒は、全く同じ名前にもかかわらずものすごく美味しくてビックリしました。

 

広島と岩手(愛山しばり)

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遅れてきた友人は「愛山」という酒米が好きなので、残り2本は愛山しばりで。岩手の「AKABU 愛山」と広島の「雨後の月 純米大吟醸 愛山」をオーダーしました。それぞれ酒米の特徴が出てて美味しかったです。経験上「愛山」を使った日本酒でハズレを引くことはほぼありませんね。

 

まとめ

2年ぶりくらいに来ましたが、まだ大将や板さんに覚えてもらっていてありがたい限りです。希少な全国の銘酒を安く飲める居酒屋さんなので、今は遠くなりましたがまた折々に触れてお世話になりに行きたいと思います。

ちなみにこちらのお店、2階にも席があるのですが、2階に行くと日本酒のオーダーは2合から(徳利)になってしまうので、自分は基本的に1階でしか飲みません。

あと予約も宴会以外は基本受け付けていないようです。当日、行く直前にTELして席が空いていれば、お店に到着するまでの間は席を確保してくれます。