定額で日本酒飲み比べが楽しめる日本酒バル(Sake Labo Tokyo)

東京都北区十条にある日本酒バル「Sake Labo Tokyo」に行ってきました。こちらのお店は「たくさんの銘柄を利き酒して、自分の好きな銘柄を見つけよう」ということをコンセプトにしており、定額(3,850円〜。2時間半制)で最大約4合までの日本酒を飲み比べ出来るお店です。4合といっても提供時に60mlか30mlかを選ぶことが出来るので、60mlなら12杯、30mlなら24杯までを時間内に飲むことができます。なお「飲み放題」ではなく「飲み比べ」がコンセプトなので、同じ銘柄は一杯しかオーダーできません。

予約して伺ったんですが、自分が行きたかった日は「飲み比べのみ(料理は別途オーダー)」のプランはやっていなかったので、一番安いフード付きのコース(5,200円・料理4品)にしました。

 

そら豆の冷製すり流し

最初の一品から手がかかっています。

 

「寒菊」と「彗」

飲み比べは日本酒メニューから好きに選べるのですが、最初は店員さんオススメの「寒菊・Ocean 99」の夏酒からスタートしました。

 

寒菊 OCEAN99 空海

Ocen99シリーズでは初めて飲むお酒です。夏酒なので爽やかなのかと思っていたのですが、意外と味がありました。日本酒ぽさが強いというわけではないんですが、味が強いというか。全体的には夏酒の爽やかさはあるものの、軽やかさが自分の思っていた感じとは違いました。

 

彗(シャア)

長野県にある「遠藤酒造場」が造っているお酒です。初めて見ました。タイトルがもうアレ狙いですね。ファンにはたまらないかもしれません。

イロモノかと思って飲み始めたんですが、意外や意外、スッキリして飲みやすい!「彗 直汲み HALLEY」は蔵のスタンダード(定番商品)らしいんですが、これでここまで飲みやすいなら、他の銘柄も気になります。ラベルも個性的ですしお値段もそんなに高くないので、いくつか買い揃えてみようかな。

 

刺身3種盛り

フード2品目。「愛媛県産の鯛、新潟産のイナダ、焼津の鰹」です。ランチは別に食べてきたので、これくらいの盛りだとありがたかったです

 

「上喜元」と「KAWABU」

 

波乗りジョーキゲン

山形県の「酒田酒造株式会社」が造っているお酒です。上喜元は好きで山形に行った際にはよく飲むんですが、このラベルは初めて見ました。

味は、シュワシュワでサッパリ!これは美味しい!店員さんによれば、「上喜元には酒和地(シュワッチ)という似たような飲み口の銘柄があるんですが、それが今年は出ていないのでその代わりにこちらをリリースしたのではないか」とのことでした。

 

KAWABU 純米おりがらみ Chill

三重県にある「河武醸造株式会社」が造っているお酒です。初めて飲む銘柄です。味はさっぱりはしているんですが、後味ちょい苦。

 

「仙禽・かぶとむし」と「Hello World」

安定の仙禽へ。

 

仙禽・かぶとむし

夏の限定酒。味はまさにグレープフルーツ!柑橘系の爽やかさで、めちゃくちゃ飲みやすくて美味しいです。仙禽の中でも一番好きなお酒かも。

 

仙禽・Hello World

Sake Labo Tokyoが仙禽とコラボして造ったプライベートブランド酒です。こちらのお店でしか飲めないというわけではありませんが、コラボした本拠地でPB酒を飲む!ていうところに自分的には意義を見出しています。

搾りたて、直汲み、無濾過生原酒という贅沢な造りで、味は甘味と酸味がバランス良く飲み飽きない感じ。十分美味しかったんですが、かぶとむしの後に飲んだので…。

 

出汁巻玉子の青海苔あんかけ

冷たい日本酒を飲み続けてきたので、温かいものが出てくるとほっこりします。

 

「戸隠」と「笑四季」

 

戸隠 純米吟醸 山恵錦

長野県の「高橋助作酒造店」が造っているお酒です。初めて飲みます。味は、ちょい辛口で淡麗系なんですが、一方苦味も感じました。後味ではなく全体的に。あまり好きな味じゃなかったかな。

 

笑四季 Sensation 白ラベル

滋賀県の「笑四季酒造」が造っているお酒です。味は、なんだろう…。複雑?酸味が来て旨味が来て後味苦め。よく分からない味でしたが、もう一杯頼めても頼まなかったかな。

 

「たかちよ」と「ハツユキソウ」

 

たかちよ ストロベリームーン

新潟県南魚沼市にある「髙千代酒造」が造っているお酒です。こちらはメニュー商品ではなく、自分の隣に座っていた常連さんからお店への差し入れを、カウンター全員に振舞っていただいたものです。

髙千代は自分の中で得意なものと苦手なものがはっきり分かれる酒造で、「ハズれると痛い」という印象のある酒蔵です(それでも漢字ラベルよりひらがなの方がヒット率は高い。ローマ字ラベルは微妙)。

警戒しながら飲んだんですが、今回は美味しかった!ストロベリーの甘さ的な部分は感じないんですが、甘酸っぱさが最高!これは買いに行きたいと思える一本でした。

 

ハツユキソウ RICE FRUIT WINE 葡萄

これも初見ラベル。福島県の「峰の雪酒造」が造っているお酒です。ハツユキソウのシリーズはフルーツをテーマに造られているらしく、この葡萄の他にメロン、バナナ、林檎、桃なんかがあるようです。

味は、RICE FRUIT WINEを謳っているように、まさに白ワイン!美味!これは相当美味しいです。店員さん曰く「他のフルーツもありますが、自分は葡萄が一番美味しいと思うので、定番商品として切らさないように入れています」とのことです。これも自分で購入したい逸品でした。

 

「新政 ヴィリジアン」飲み比べ

最後に飲み比べメニュー外の「新政」で〆ることにしました。こちらは黒板(ホワイトボード)メニューになるんですが、コースをオーダーした人のみが注文できるようになっていました。一部のプレミアム酒はコースのお客さん限定になっているようです。

オーダーは2023年のものだったんですが、「直汲みの2022年バージョンもあるので、せっかくでしたらどうぞ」とハーフで飲み比べにしてくれました。素敵!お値段も適正価格(800円以下)でしたし、最高です。

 

おわりに

日本酒好きの店主が、日本酒をもっと好きになってもらうため(日本酒を布教するため)にやっている日本酒バル」ていうコンセプトがビシビシ伝わってきました。素晴らしいお店です。

今回自分は最後の新政以外は30mlでオーダーして(新政も実際は30ml×2)、トータル12杯、飲み比べメニューからは9種類しか飲みませんでしたが、それでも十分満足できる内容でした。お店を後にした時の満たされ感が半端ないです。店員さんもほぼ全員日本酒に詳しくて、その人が飲んでみて感じた味の傾向とか、醸造の背景(蔵がどういうコンセプトで造ろうと思ったか)とかも教えてもらえますしね。飲んでみて苦手な銘柄もあったので、新規銘柄開拓で飲むにあたって、30mlスタイルは自分に合っていると思いました(先日伺った東京BAL 塩梅 でも半量でお願いして飲んでました)。

同じ銘柄は一回だけという縛りはありますが、何せ日本酒が豊富なので新規開拓にはうってつけです。今後も通いたいお店になりました。