十四代のプライベートブランドが飲める銘酒居酒屋(赤鬼)

今日の飲みは三軒茶屋にある銘酒居酒屋「赤鬼」に行ってきました。こちらのお店は全国各地の銘酒が揃っていて、中には蔵元にPB(プライベートブランド)で醸造してもらっているものもあるという、日本酒飲みにとっては聖地とも言えるお店です。

ダメ元で前日にTELしてみたら席が確保できたので、金曜日の18:00に訪問してきました。

 

お通し

「マグロと帆立のぬた」と「鶏肉とズッキーニの炊いたん」550円とはいえしっかりしたお通しです。先ずこれで一杯いけますね。

 

生ビール(白穂乃香)

ビールがありました!昔来た時にはビールはなかったんですけどね。当時、お客さんにビールがないか聞かれた店員さんが「うちは日本酒居酒屋なんで、ビールや焼酎は置いてません」て言ってた記憶があります(今も焼酎は無いようです)。

「白穂乃香」は、サントリーが造っている飲食店専用のビールです。那須で造られ、関東圏と愛知県の限られた飲食店でのみ取り扱いがあるようです。取扱店を限定しているのは、無濾過のビールなので納品後も酵母が発酵し続けており、管理が難しいからだとか。サントリーが適正に管理できると認めた飲食店にのみ卸しているようです(でも今回の東京旅行では結構見たかも)。

味は、さっぱりフルーティ。味わい系。色は酵母の濁りでちょっと白っぽいです。美味しいんだけど、今日みたいな暑い日には酵母系よりもっとサッパリしたビールが良かったかな。

 

谷中生姜の肉巻き焼き

谷中の名物があったのでオーダーしました。それなりに美味しかったけど、2串で660円はちょっとお高め。

「鳥海山」と「雨後の月」

どちらも「赤鬼 別注品」です。

 

鳥海山 純米大吟醸 赤鬼スペシャル(PB)

秋田県由利本荘市にある「天寿酒造」で造られているお酒です。秋田に行った時に飲んで美味しかった記憶があります。

こちらは「赤鬼スペシャル」の「にごり生原酒」。確かに白く濁っていますが日本酒度はそんなに高くなく(多少味は感じるくらい)、乳酸系の爽やかな甘酸っぱさで美味しかったです。一杯990円も納得の美味しさ。

 

雨後の月 BLACK MOON 無濾過生原酒(PB)

赤鬼ラベルではないですが赤鬼PBです。店員さん曰く「ブラックムーンの無濾過生原酒があるのは赤鬼だけ」だそうです。味は旨みとスッキリさが同居している感じ。当たりの「雨後の月」でした(たまにハズレがある)。お値段は鳥海山PBと同じくらい。

 

冷や奴

メニューのPOPによれば「三茶でいちばんのお豆腐屋さんから取り寄せている」そうです。確かに美味しい!これで330円はコスパ良いです。少し小さめなのでお代わりしてもお腹にたまらず十分いけそう。

 

お刺身盛り合わせ

時計回りに「帆立・生マグロ・はた・あいなめ」です。一人分1,540円。昔よりだいぶ安くなりましたね。そして昔は刺し盛りは予約時しか頼めなかったのが、当日OKになっていたのにもビックリ。どうりで予約時に「お刺身はどうしますか?」のやり取りがなかったわけです。

 

「モダン仙禽」と「花陽浴」

モダン仙禽 亀の尾

栃木県さくら市にある「株式会社 せんきん」が造っているお酒です。モダンに対して「クラシック仙禽」もありますが、味は「モダン」の方が洗練されてるかな。

こちらの「モダン仙禽 亀の尾」も、酸味が先に来るけど甘みも後からついてくる絶妙な味わい。美味しかったです。一杯440円はお安いですね。

 

花陽浴 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒

甘みは強いけどそこまで甘ったるい感じではありませんでした。花陽浴はどんどん甘くなっていっている気がするんですが(花陽浴に限らず全般的にですが)、こちらはまだパイナップルの酸味的な感じも残っていた気がします。

 

日本酒ハーフの提案(ソロ限定)

どこかに行っていて戻ってきた店長さんから「ハーフでも行けますよ」て言っていただいたので、ここからハーフで種類を堪能する作戦に切り替えました!(ただし一人飲み限定です。一人だと種類を飲みたくてもあまりたくさんは飲めないだろうという気遣いからやってくれているそうです)。

ちなみに赤鬼のお猪口は0.8合(摺り切りとこぼれで約100mlくらい?)だそうです。

 

刺身こんにゃく

絶品!めちゃくちゃ薄く切るので提供に少し時間がかかります。板前さんの手元で芸術的に薄切りにされていくのを見るのが楽しかったです。

 

「手取川」と「写楽」

手取川 大吟醸 酒魂 特A山田錦45

槽垂れの荒走りだそうです。醸造アルコールは入ってるけど全然感じなくて、むしろサッパリで美味!

 

写楽 純米吟醸 播州愛山

これはすごく美味しかった!マンゴー的なフルーティーさで日本酒度もそんなに感じなくて、完成された味!

ここでおばあちゃん店員から「普通はやってないので、声高にハーフって言わないでね」てご注意が。それはそうか。周りは一切その頼み方してませんしね…。以後こっそり「少なめで」て言い換えました。

 

枝豆

美味しいですけど、さすがに新潟の枝豆には味は及ばないですね…。

 

「奈良萬」と「松の寿 赤鬼別誂」

奈良萬 中垂れ

かなり日本酒度を感じました。ボディ強め。あまり得意な味じゃないかな。

 

松の寿 純米吟醸 雄町 赤鬼別誂

辛口だけどエグ味がない味。ラストの膨らみがこれまた良い感じ!純米大吟醸クラスの美味しさだったと思います。

 

長茄子の実山椒味噌田楽

実山椒が効いていて美味!かなり長い茄子で量もしっかりあって美味しかったです。

 

「Hizirizm」と「十四代 赤鬼PB」

Hizirizm 雄町 生酛 純米大吟醸

隣の席の方が頼んでいたお酒です。見たことのないラベルだったので、自分も少し時間を空けてオーダーしてみました。群馬県渋川市にある「聖酒造」が醸しているお酒です。聖酒造は「試験醸造」と「挑戦酒」をモットーに少量限定生産のお酒をプロデュースしている蔵元みたいです。

味はジューシー旨口。ガスのシュワシュワ感もあり、飲みやすくて美味しいお酒でした。ちょっと取り寄せて飲みたいと思えるお酒です。

 

十四代 赤鬼PB

赤鬼のPB(プライベートブランド)を今日もいくつか飲んだのですが、本当にどれも美味しいです。でもこちらは圧巻の美味しさでした。異次元。さすが十四代をベースにしているだけあります。文句なしの美味しさ。

ただ、文句を言うとすれば提供方法ですかね。以前には無かった「十四代は一種類1グループ1杯のみオーダー可」というルールが出来ていました。まぁ十四代ばかり飲む人たち対策なんでしょうけど…。

 

おわりに

かなり久しぶりに来たんですが、お刺身が予約限定じゃなくなっていたり、生ビールが置かれていたり、水が無料の水道水と有料の仕込み水を選べるようになっていたり(昔は水も有料しかなかったです)と、かなり変化していました。

店構えも印象が違っていたので、店員さんに「昔と比べてお店の前がスッキリしましたか?」と尋ねたところ、「昔は雨が降っても煙草が吸えるようにキャンプ用の屋根みたいのを建てていたけど、それを取り除いたからですかね」とのことでした。なるほど。

良いお酒は大体一杯990円が多かったけど、ソロならハーフ飲みが出来るのが強いですね。あまり大きな声で言うと注意されますが。

神田の「かんだ光壽」と並び立つ日本酒PBを擁する名店だと思います。また機会があったら積極的に飲みに行きたいと思いました。