超レアな自家生産シャポンを食べさせてくれる鳥料理専門店(とりやき oniya)

新潟市の古町に超レアな「シャポン」を、しかも刺身で食べさせてくれるお店があると聞きつけ、食べに行ってきました。「シャポン」は去勢した雄鶏のことで、雛鳥の時に去勢することによって通常雄鶏では身に纏わない脂肪を纏うようになり、通常の鶏より格段に美味しくなるんだとか。

「シャポン」は元々フランスで開発された手法で、通常の鶏よりかなり長く飼育する必要があるためその分出荷量も少なく、幻の鶏、高級鶏として扱われています。日本でも自分が行くような範囲のお店だとほとんど聞くことはないです(フランス料理はほとんど食べに行ったことがない)。

こちらのお店「とりやき oniya」では、店主自らシャポン専用の養鶏場を営み、生産から出荷時期まで全てをコントロールした上で、自分のお店でシャポンを提供しているそうです。本気度ハンパないです。

今回は訪問する2日前に「席が空いてたらラッキー」くらいの気持ちで予約の電話をしてみたところ、なんとか21:00の枠に滑り込めました。ただし予約から訪問日が近いこともあってスタンダードなコースはオーダー出来ず、「刺身は全種類揃いませんし、他のお料理も当日材料があるものでよければ提供いたします」とのことでした。店主さんは決して上から目線なんかではなく、申し訳なさそうにおっしゃられていたのが印象に残っています。もちろん即OKしました。

 

シャポンの温泉卵

濃厚!半熟よりほんの少し熱が入ってる感じ(固め)なんだけど、それもまた良き。

 

シャポンの刺身

2人で伺ったので、偶数で出してくれました。今回は8種類のお刺身です。レバ刺しとかは聞きますが、笹身やむね肉、もも肉など、普通は生で食べようとは思わない部位も刺身で出てくるなんて面白い!味は…なんていうか、普段生で食べたことない部位ばかりなので比較のしようがありません。牛刺しとか馬刺しとかとは明らかに違う食感と不思議な味なんですが、美味しく食べられました。

鶏肉はカンピロバクターウィルスによる食中毒の虞れが高いため、通常は刺身で食べるなんてもってのほかなんですが(鶏肉を扱う飲食店には鶏肉の取り扱いに関して結構厳しいガイドラインがあります)、こちらのお店では生産から提供まで一般流通に乗せず完璧にコントロールすることで厳しい基準をクリアしているんでしょう(たぶん)。

 

生ビール

銘柄は不明(覚えてません…)。アサヒスーパードライっぽかった気がします。グラスに書いてある「三鬼遊」は最初「サンキュー(Thank you)」かと思ったんですが、調べてみると、どうやらこちらのお店の店主さんが昔チーフとして勤めていた、新発田市にあった居酒屋さんの店名みたいです。そちらのお店が閉まった後、この「とりやき oniya」をオーナーシェフとして始められたようです。

 

とり焼き①

七輪焼きのための鶏肉です。お刺身よりも厚めに切り分けられてます。味、というか弾力が半端ないです。噛むと、ギュムギュム音がするくらいの超反発。そして溢れる肉汁。絶品の「とりやき」だと思います。

 

とり焼き②

こちらは皮。焼き具合はよくわからなかったので適当に焼いて食べましたが、今考えると一枚くらいパリパリになるまで焼いてみて、食べ比べてみても良かったかも。

 

とり焼き③

追加で出してもらえた鶏肉たち。①と被るところもありますが、ちょうどあのギュムギュム感をまた味わいたいと思っていたので、願ったり叶ったりで美味しくいただきました。

 

おわりに

人生初のシャポンだったんですが、シャポンだからどうだったかというより「とにかく全部美味しかった」としか言えません。シャポンは育て方で銘柄ではないので、どんな鶏を使っているのかも分かりません。ただただ、人間の業の深さに思いを馳せながら、珍しい「鶏肉の刺身」と「とり焼き」を堪能しました。自分で七輪で焼くのも楽しかったです。

今回は急な予約だったためちゃんとしたコースは頼めませんでしたが、いつかフルコースを頼んでいろんな味わい方をしてみたいです(多分もっといろいろあるはず…)。