謎の丁寧さが光るとんかつ屋さん(小椿)

三島で一泊した翌日、お昼ご飯を食べに隣の沼津市にあるとんかつ屋さん「小椿」に行ってきました。沼津〜三島には美味しいラーメン屋さんも多々あるのですが、今日は何となく「肉食べたい!」気分だったので。

お店は住宅街の中に佇むこぢんまりした一軒家です。駐車場はお店の前に4台。自分は開店少し前に行ったので2台目で駐められましたが、ほぼ開店と同時に満車になり、帰り際にはお店前の道路に2台ほど空き待ちの車がいました。後述しますが、非常に丁寧に作るため回転は良い方じゃありません。お店の前の通りも広くはないので、車で待つにも限度があります。訪問にはタイミングが大事かも。

駐車場の車の中で待っていると、開店時間におばあさんが呼びにきてくれました。おじいさんは暖簾を一生懸命掛けています。入店し、カウンターに通され、席にあるメニューを拝見します。

 

潔いメニューと匠の技? 

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うん、前情報通り「ロースかつ」と「ヒレかつ」しかありません。シンプル。単品メニューがあるのも良いですね。東京の有名なとんかつ屋さんに行くと単品(とビール)で頼むことも多いのですが、今日はお腹が空いていたので「ロースかつ定食」をオーダーしました。

待っている間に店内を観察してみると、空間的にものすごくゆとりを持たせた席の配置になっていることに気がつきました。席は入って左側にカウンター3席と、右側の横の壁に沿って4人掛けのテーブル席3つのみ。入り口を入った正面は大きく空間があいています。平屋造りで天井も高いので、より広さを感じるのかもしれません。

厨房ではおじいさんが調理を始めています。カウンターからは間近に調理の様子が見えます。厨房内は床が一段上がっているんじゃないかってくらい作っているところが良く見えるので、目が良ければテーブル席からも見えるのかもしれません。

そんな厨房内でおじいさんは本当に丁寧に豚肉を扱っています。肉の切り分け、肉叩きと筋切りは開店時に終わっている模様で、小麦粉を付けてパン粉をまぶすところからスタートするんですが、パン粉の付け方がなんだか独特です。いったん両面に粗切りのパン粉をつけたあと、ちょっとずつパン粉をつまんで位置を修正しているのです。どういう根拠でパン粉の位置をずらしたり付け替えたりしているのか分かりませんが、そんなやり方は初めて見ました。そしてロースかつもヒレかつも同じようにひとつひとつ丁寧にその作業を繰り返すので、揚げ始めるまでに結構時間が掛かります。

 

ロースカツ定食、実食 

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そこそこの時間を待った後「ロースかつ定食」が提供されました。黄金色で良い揚げ具合です。みそ汁も地味に嬉しい。ご飯は、ネット上の評判だと「量が少ない」という声もありましたが実際少なめだと思います。白米を重視しない自分にとってはちょうど良いですが。一部のとんかつチェーン店にあるような「ご飯やキャベツのお代わりサービス」みたいなのも無いようです。

 

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「ロースかつ」のアップ。パン粉がザクザク立っています。ただ、食べて口内に刺さるような事はないです。歯切れが良く、非常に繊細な衣でした。

 

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「ロースかつ」の断面です。薄いピンク色が美しいです。色は時間の経過とともに白くなっていきます。肉質は、柔らかめなんですが弾力もきちんとあり、サックリ噛み切れる感じ。火入れの状態がすごく良いんだろうなと思いました。もちろん豚肉もとても質の良いものを使っていると思います。何も付けず、素で食べても十分美味しく食べられるとんかつだったので、調味料に塩が置いてなかったのが残念です。とんかつソースはあったので使ってみたのですが、可もなく不可もなく。やはり素でここまで美味しいとんかつは、塩で甘みを十分に引き出す食べ方をしたかったですね…。ヒマラヤ岩塩とかちょっとこだわった塩があるとベストだったかも。

 

おわりに 

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とても美味しいとんかつ屋さんでした。今後も年に数回は三島・沼津に来ることがあると思うので、自分的にはランチの筆頭候補に上がってくるお店になりました。駐車場が少ないことと提供まで時間がかかることが弱点ですが、それを補って余りある美味しさのとんかつ屋さんでした。