上越にある伝説的なラーメン店で食べた執念の味(ニューハルピン)

直江津エリアにある老舗ラーメン店「ニューハルピン」にランチに行ってきました。創業は昭和38年(1963年)なので、半世紀ちょっと(2017年時点で54年間)も営業している老舗です。ちゃんと調べてないけど、50年以上続いてるラーメン店ってあんまり行ったことないかも。自分の生まれる結構前から続いてるってのもすごいです。

歴史がある分、建物も年季が入ってます。キタナシュランとは言わないけれど、それなりに。価値観が共有できてない相手だと連れていくには勇気がいるお店かもしれません。

車で行ったんですが、駐車場はお店の道を挟んだ向かい側にそれなりの台数が確保されていました。やたらとバイカーが集まるお店なんですが、訪問した日は平日遅めに時間帯だったためか駐車場は空いていたし、バイクも停まっていませんでした。

 

スナークチューン・チョースケとガモウのラーメン(通称・チョースケ)

初見だとメニュー名の意味が全くわかりません(メニュー表には「チョースケ」とだけ記載されています)。調べてみたところ、「バイク漫画『キリン』に出てくる登場人物であるガモウが、チョースケという人物にバイクバトルを挑んでボロボロに負けた後、パーキングでチョースケから奢られて食べたラーメン」を再現したものなんだとか。

肝心の味なんですが、スープは豚骨醤油ベースに生姜を効かせた感じ。冬、あるいロングライドの後(漫画だと東京ー広島間の800km走った後に食べてます)に食べたら身体が温まりそうですね。豚骨と鶏ガラで取ったスープはスッキリした優しい味で、スイスイ身体に入ってきます。

 

麺と具材

麺は細麺で、手揉み風の緩やかなウェーブがかかっています。可もなく不可もない感じ。

具材はチャーシュー、味玉、メンマ、小口ネギ。豚バラのチャーシューは味と脂がしっかりしていました。味玉はトロトロよりちょい固め。メンマは色は濃いんですが味は色ほどしっかり付いてはいませんでした。ちょっと繊維を感じたかな。

 

おわりに

「チョースケとガモウのラーメン」は、なんかスルスル入っていく不思議な食べ口のラーメンでした。いい意味での「可もなく不可もない」というか。めちゃくちゃ主張している何かはないんだけど、全体的によくまとまっていて食べやすかったです。

 

原作漫画との関連について

読んだことはないんですが、漫画のタイトルは「キリン」。1987年から2010年まで掲載誌を変えて長期連載されていた「バイク乗りのバイブル」とも言われている漫画みたいです。

店主のフェイスブック(2020年9月12日)には

実際に東京から広島までの距離に値する
約800キロ近くを
本気で何度も全開の限界で走り
まだ味に納得がいかない
となれば また800キロを走り
自分のやってることの虚しさ悔しさを感じた時に

こんな時に食べたいラーメンの味!と
完成した味が

" ニューハルピンのチョースケ " です

限界まで走って身も心もズタボロになった時でもシッカリと美味しいとわかってもらえる味にしました

て書かれていました。

…あんた、スゲーよ。凄すぎるよ…。わざわざ漫画と同じ800kmを走った後にラーメン作って食べて検証を繰り返すなんて、常軌を逸してるぜ…。原作へのリスペクトが半端ないっていうか、もうそういうレベルを超えてる気がします。

バイクで800kmって相当なもんですよ!? しかも本気の全開って…。本当にヘロヘロになってから食べることでガモウと体力的、気持ち的にシンクロさせて検証するなんて、フツー思いついてもやらないでしょう。しかも何回も。もはや「執念」といしか言いようがないかもしれません。それだけの思いを込めて作られたラーメンだからこそ、きっとスルスル入っていく不思議な食べ口のラーメンになったんでしょうね。疲労困憊した上、失意の状況で食べてみたい気もしますが、現実的にそういう状況にはなりたくないかな…。そういう思いは、前職の時だけでもう十分。

今記事を書いていて、ものすごく食べに行きたくなりました。直江津駅から歩いても行ける距離だから、今度直江津近辺に飲みに行く前に寄ってみようかな(営業は金・土・日・月の昼のみ。要フェイスブック確認)。