9年ぶりの訪問(和酒処 酒峰)

コロナ禍が一段落して徐々に移動が解禁された今年、福岡でオフィシャルな会合が催されたため参加して来ました。集合型の会合なんて本当に久しぶりです。そちらはそちらで楽しんで、夜は博多にある日本酒Bar「和酒処 酒峰」に行ってきました(むしろ今回の福岡入りの目的の半分はコレです)。

こちらのお店に初めて伺ったのは2011年9月。次が2014年9月。そこからだいぶ開いてしまいましたが、ようやく再訪することができました。

 

お通し

きびなごのお刺身。酢味噌と和えて美味しくいただきました。

 

「田原坂」と「光武」

こちらのお店に来たら、日本酒マスターの店主さんにお任せするのが一番良い選択だと思っています。「日本酒お願いします」と伝えれば、旬のお酒を提供してもらえます。

 

田原坂

佐賀県の「古伊万里酒造」が造っている日本酒「古伊万里」の酒峰別注品です。ほのかな甘味がありつつ爽やかに飲めます。さすがというしかない味。絶品です。

今回の旅ではラベルに載っている方にもお会いできました(別の場所でですが)。

 

光武 純米大吟醸 雫取り

こちらも酒峰別注品です。佐賀県の「光武酒造場」が造っている「光武 純米大吟醸」。アルコールを感じさせない、ただただ美味しいお酒です。一升くらい苦もなく飲めそうなくらいの美味しさでした。

 

ボトルコースター

日本酒のボトルをお皿に置いて見せていただけるんですが、これってひょっとしてクラシックバカラのワインボトルコースターでは…?と思ってドキドキしました(高価かつ希少)。

以前来た時には、有名窯のお猪口コレクション(こちらもアンティーク)から選んで使わせていただいたこともありましたし、こういうところの演出はニクイんですが、いい意味で緊張しますね。酔い過ぎての粗々なんてできないぜ、みたいな。出されるお酒が美味しすぎるので常に危険と隣り合わせなんですが、これまでのところは一応大丈夫です。

 

お刺身盛り合わせ

アテもお任せです。お腹の空き具合と苦手なもの(梅と納豆、紫蘇)だけ伝えれば、絶品のアを出してもらえます。今回のお刺身は「幻の鰹・ほど鰹。天然縞鯵、鰤の大トロ、根付きサワラの大トロ」。お刺身も美味しい上に醤油も美味しかったです。日本酒もそうなんですが、醤油も製法は醸造系なんですよね。

 

むかごのおひたし

「むかご」は山芋や大和芋の葉の付け根に出来る球状の芽のことらしいです。しっとり系の味。箸で一粒一粒つまんでいるうちに、何だか無心に食べてました。

 

湯葉 〜カラスミと生山葵を添えて〜

あんまり湯葉って食べないんですが(機会がない)、これは美味しかったです。和で満たされていく感じ。

 

甘鯛の自家製蒲鉾

ねっとりとした旨味。日本酒に合います。山椒醤油もいい味出してました。

 

「薫長」と「池亀」

なんか、まだまだ知らないお酒ってたくさんあるんですね…。

 

薫長 純米吟醸 雄町

大分県日田市にある「クンチョウ酒造」が造っているお酒です。

チョコレートぽい香りで、味も日本酒ぽさはあるけど、飲み進めると気にならなくなる感じです。キレは良いお酒だと思いました。

 

池亀 辛口純米酒

福岡県久留米市にある「池亀酒造」が造っている日本酒です。

首ラベルに「さらりとうまい」と書かれていますが、本当にサラリと飲めるお酒。スッキリ系。精米歩合は75%らしいんですが雑味も感じず、クリアな味わいでした。

 

燻製

魚の燻製です。旨みが凝縮されていました!

 

鶏チャーシュー

ジューシーかつパリパリ(語彙力の限界)。お皿の彩色も素晴らしいです。

 

おわりに

9年ぶりに訪れた「酒峰」はやはり最高でした。9年前と比べて自分の日本酒経験値もかなり上がっていると思うんですが、さらに深淵に誘われるような底の深さを感じさせてもらえました。「ここに行くために旅に出る」と言える、旅の目的になるお店です。

もちろん而今などのいわゆる有名銘柄的なものも置いてあるしメニューや冷蔵庫を見ながら選んで飲むことも出来るんですが、自分にとっては日本酒マスターの店主さんにお任せした方が新しい出会いがあって面白いです。正直、今日飲んだお酒は全部初見だったと思いますし。

こちらのお店に最後に来た2014年は自分の人生が大きく変わろうとしていた節目の年で、その後は仕事も住む場所も家族関係も変わり、そうこうするうちに今度はコロナ禍が来て…など色々ありました。人生の折り返し地点を過ぎた今となっては、自分が大事にしている場所にちょこちょこ顔を出して、緩やかにでも居心地のいい場所と繋がっていくのも大事なのかな、と改めて思いました。

妻もこちらのお店が大好きなので、そう遠くないうちに一緒に来たいな、と思っています。