今回の北海道旅行最後の晩ご飯は「鮨・魚匠 くりや」に伺いました。場所は札幌市ですが中心街からは遠く離れた白石区本郷通8丁目にあり、最寄駅は地下鉄東西線の南郷7丁目駅になります。
こちらのお店は夜のみ営業・入れ替えなしの一部制で、メニューは16,000円の「店主おまかせコース」のみ。18:00一斉スタートなので遅刻厳禁のお店です。
時間前にお店に到着すると何組かの人たちが路上で待っていました。お店に上がる階段の入り口にはガラスのドアがありますが、施錠されていて中に入ることは出来ません。18:00ぴったりに女将さんが降りてきて、鍵を開けて招き入れてくれました。
サッポロClassic 生
ますは生ビールから。北海道に来るとひたすら「サッポロClassic 生」ばかり飲んでしまいます。
イクラの味噌漬けと花咲蟹の茶碗蒸し
イクラの旨味が濃厚!茶碗蒸しからも蟹の風味がビシビシ来ます。
クエのお刺身
10日寝かせて熟成しているそうです。いい意味でねっとりとした美味しさ。ポン酢とネギで爽やかに。
鉄火巻き
海苔のパリパリ感が半端なかったです。めちゃくちゃ良い海苔!腰が強過ぎて上顎の内側に張り付いたのを剥がすのが大変でした。
うなぎ串
弾力感高め。
「あたごのまつ」と「ロ万」


日本酒のメニューは豊富でした。全国の銘酒が揃っています。その中から慣れ親しんだ銘柄でスタートしました。
あたごのまつ 特別純米 冷卸
サッパリしているけど旨味もアリ。
ロ万 純米吟醸
華やかな甘さ。
真鯛(明石)
こちらは20日熟成させたもの。手間がかかっています。
鰊の握り
ニシンをお鮨で食べるのは人生初かも。細かい包丁捌きが素敵。
鮪赤身
こちらは2週間熟成。上半分だけをヅケにしたものだそうです。生っぽさと漬けの良いとこ取り。
玉子
口休め。しっかりした玉子でした。
「水芭蕉」と「上川大雪」


日本酒は女将さんセレクトだそうです。自分たち好みの良いところのお酒が揃えられていたので、この女将さんなら好みの味の北海道地酒を出してくれるんじゃないかと思い、相談してみました。
水芭蕉 純米吟醸
群馬県川場村の「永井酒造」のお酒です。たぶん初めて飲みました(過去に飲んだ気がしないでもない)。酒米は全量兵庫県特A地区の山田錦を使っているそうです。甘すぎず透明感のある味。美味しかったです。再発見!
上川大雪 特別純米 彗星
女将さんに好みの味を相談して出してもらった北海道酒です。北海道産で美味しかった唯一の日本酒。北海道上川郡上川町にある「上川大雪酒造」で造られているそうです。
妻と「これは美味しいね!」「2日目に行った日本酒居酒屋でも冷蔵庫に並んでいたけど、頼めばよかったね」と言い合っていたのですが、調べてみたらこの酒造、三重県の休眠蔵を2016年に北海道に移設したものだったんですね。どうりで好きな傾向の味だったわけです(三重県には好みの蔵が多い)。三重の酒造りの手法を北海道の酒米で実現しているハイブリッドなタイプだと思うんですが、2016年再始動の新星。今後も期待大です。
羅臼の鰤
二週間熟成してトリミング(周りを削ぎ落として良いところだけ残す)したもの。脂っぽさは無く、純粋な鰤の美味しさを堪能できました。
あん肝と日高の水蛸
あん肝がとんでもなく溶けます!箸でつまめないくらいの柔らかさ。水蛸も、厚いけど一切抵抗なく噛み切れる柔らかさでした。贅沢な酒肴。
縞鯵(愛媛)
サッパリした美味しさ。赤酢のシャリが美味しさを引き上げています。
ボタン海老
ネットリ濃厚!旨味が凝縮されていました。
「華味之至」と「冩楽 酒未来」


華味之至 至味会限定 吟醸酒
読み方は「しかみ」。札幌市中央区にある「日本清酒株式会社」が造っているお酒です。北海道酒第2弾としていただきましたが、こちらは結構味があるタイプ。ちょっと苦手な味でした。吟醸酒なので醸造アルコールを使っていることも苦手な一因だったのかも。
冩楽 純米吟醸 酒未来
安定の「冩楽」へ。酒未来を使っているのは飲んだことなかったかな。酒未来らしい華やかでボリュームのある旨味。思ったほど甘過ぎなくて美味しかったです。
新子
新子と言うにはサイズ的にギリギリみたいです。酢の〆具合がとても良かったです。
大トロ
産地は聞き忘れましたが、激旨!トロける!
コノシロの棒寿司
10日熟成させたもの。コノシロはニシン科コノシロ亜科の魚で「新子→小肌→コノシロ」の順に成長したもの。若い順に値段が高いそうです。コノシロは安価になるけど、実際は成長したコノシロは最も旨味が強い魚なんだとか(ネット調べ)。
江別のコーン
箸休め。甘みが凝縮されていました。
鮑ソース
柔らかい!ソースも絶品!
チーズと数の子の和え物
カマンベールチーズと数の子を和えたもの。数の子のプチプチ感が良かったです。
鮨屋のブイヤベース
ボタン海老、金目鯛、クエなどから出汁を取って作っているそうです。具は北寄貝などの貝類が細かく入っていました。大将曰く「究極のあら汁」を目指して作っているそうです。
作 雄町2022


見た事ないボトルでした。紙のラベルじゃなくて瓶に直接印刷されているようです。「作」の字も紙のラベルと字体が違うような気がします。味は流石。
中トロのサク漬け
熟成系。しっかりした身と味。
鹿児島の車海老
弾力が半端なかったです。
生雲丹
塩水雲丹。どんどん溶けていきます。大将は極力塩水雲丹を使うようにしているそうです。
赤出汁
濃い味。締まります。
イクラ
ハジける弾力!漬け具合も絶妙。
カステラみたいな玉子焼き
「玉子です」と出されましたが、上品なカステラかと思うくらい甘みがありました。和三盆を使っているとか。
日高の水蛸(追加)
コースが終わって大将から「何が美味しかったですか?」と聞かれ、蛸好きな妻が「全部美味しかったけど、蛸の柔らかさと美味しさが印象に残りました」と答えたところ、少し切って出してくださいました。自分たちはまだ日本酒が残っていたので、ツマミにどうぞ、というところでしょうか。美味しかったです。
おわりに
つまみとお鮨を交互に出すコースで全25品(+水蛸)、食べ切りました。きちんと仕事がされている酒肴と鮨をこれだけ食べて16,000円なら納得のコースです。さすがミシュラン北海道2017でミシュランプレートに選ばれているだけはあります。日本酒も全国の銘酒がたくさん揃っているし、鮨好き・日本酒好きには堪らないお店だと思います。
ただしお会計は2人で49,000円。一店で使うお金としてはかなりの額になってしまいました。コースだけで32,000円(2名分)なので、酒代が17,000円になるのかな?お代わりした日本酒もあるので杯数は写真に撮ったもの以上になりますが、それなりの覚悟がないと楽しめないお店ではあります。自分たちはそのつもりで来たので大満足でした。
通いたいか?と言われれば財力的に「無理」なお店ですが、今後も何度も北海道には来るでしょうから、そのうちいつかは訪ねてみたいお店ではあります。
2日目に行った日本酒居酒屋
アテが美味しかったので、今度はマスターに「上川大雪みたいなのを」と相談しながら飲みに行きたいです。「上川大雪」は上川町以外にも2020年に十勝、2021年に函館にも酒蔵を開いているそうなので、それぞれの蔵で特色とか出していると面白いですね。