ビールの魔術師がいるお店(ビールスタンド重富 本店)

広島市にはプロの注ぎ手がいるビールスタンドがあると聞いたので行ってみました。営業時間は月〜土の17:00〜19:00の2時間のみ。一人2杯までという制限付きの立ち飲み形式のお店です。

 

店舗外観

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お店の前に着くとすでにたくさんの人が待っていました。お店というより酒屋の倉庫内に立ち飲みスペースを作った感じです。コンクリ打ちっぱなしで殺風景。

 

まずは受付機で受付を

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お店正面右側のビニールハウスの前に受付機があります。発券するとタブレットに45分待ちと表示されました。えーと。今18:20でお店の閉店が19:00なんだけど…。大丈夫なのかな?(20分後に入れました)。

 

お店のこだわり(ルール)

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お代わりは1杯まで(一人合計2杯まで)。ここには書かれていませんが、店内には「合計20分以内に飲み終われる場合のみお代わり可」て貼り紙がありました。2杯を20分以内に飲むのって、なかなか大変じゃないかな?

おつまみはありません(持ち込みも不可)。「うちではとにかくビールを味わえ」ということでしょうか。

 

シャープつぎ

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こちらのお店で使っているビールは1種類のみ。使うサーバーと注ぎ方を変えることで味の違いを出しています。注ぎ方(メニュー)は5種類あるのですが、ファーストオーダーは「シャープつぎ」にしてみました。重富オリジナルの注ぎ方で「炭酸と苦みが効いたキリッとシャープな味」だそうです。

飲んでみると確かにメニューに書いてあるとおりの味でした!これはスゴイ!文字通りの味を出している事も凄いけど、何よりビールとしての完成度が段違いに高いです。これは美味しい!

 

二種類のサーバー

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右の背の高い方が「昭和のサーバー」、左のが「平成のサーバー」です。両方を使い分けて味の違いを出しています。「昭和のサーバー」はスイングカランとも言われていてかなり扱いが難しいので、所謂「ビール注ぎ職人」しか使いこなせないようです(泡切り3年、注ぎ8年だとか)。

昭和のサーバーはビールを通す管が平成のサーバーの1.8倍あって(5mm→9mm)、ビールの流量は平成サーバーの4〜5倍にもなるのだとか。注ぐのを見ていても、昭和のサーバーからはものすごい勢いでビールが注がれているのが分かります。ちなみに「一度つぎ」は昭和のサーバーから豪快に吹きこぼしながら注いでいて、見ているだけで楽しいです。

 

5種類のメニュー

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どの注ぎ方でも一杯550円です。下2つの注ぎ方(シャープつぎ、マイルドつぎ)以外は、他のお店でもやっている注ぎ方みたいですね。ちゃんとスイングカランを使っているかは分かりませんが…。

 

三度つぎ

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2杯目は「三度つぎ」で。重富オリジナルの「マイルドつぎ」と迷ったんですが、マイルドつぎの項目に「ビールが苦手な方にもおすすめ」て書かれてたので、ビール好きな自分としては「三度つぎ」にしてみました。 

昭和のサーバー(スイングカラン)で3回に分けて注いでいるのですが、豪快に泡立てた後、泡が落ち着くまで数分待つ必要があるため、完成まで3分くらいかかるそうです。

味は、一口飲んで「甘い!」と感じるくらい劇的に変化していました。1杯目に飲んだ「シャープつぎ」とは全然別の飲み物になっています。これはすごい…。ビールとしての苦みや炭酸は維持しながら、グッと甘みが引き出されている感じです。そして泡がすごい。全然消えていきません(シャープつぎでも同じだけど)。

 

アナログな20分制限 

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実は1杯目の「シャープつぎ」を飲み始めてからひっくり返したんですが、「三度つぎ」を飲み終える頃には完全に砂が落ちていました。

でも、別に重富さんからセットするように言われたわけではないし、制限時間について言われることもなかったです。他に砂時計使っているお客さんもいませんでしたし…。長くても2杯飲み終えるまでなので、あまりカツカツした雰囲気はありませんでした。

 

おわりに

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注ぎ方を変えるだけで、同じビールとは思えないほど明確に味が変わっていました。スイングカランは注ぎ手によって味が全然違うそうで、飲めば熟練度が一目瞭然なのだとか。ちょっと全国のスイングカランを置いてあるお店を回ってみたくなりました。まずは広島駅ekie内にある重富の支店に行ってみたいと思います(しかもそっちは杯数制限がなくてお昼からやってるとか!)。

並ぶのは好きじゃないけど、待っただけの甲斐がある体験が出来ました。また広島に来た時には飲みに来たいと思います。

 

名人のビールの注ぎ方