新潟ライフ

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陳麻婆豆腐の名店発見(熱烈中華 ○武)

麻婆豆腐が好きです。中でも「陳麻婆豆腐」と言われる、花山椒を使った辛くてビリビリと痺れるタイプの麻婆豆腐に目が無いです。

 

「陳麻婆豆腐」と「麻婆豆腐」の違い

日本で1970年代に麻婆豆腐を広めたのは四川省出身の陳健民氏なのですが、その麻婆豆腐は日本人向きに味を調整したタイプのものでした(丸美屋系のマイルドな味)。

同じ「陳」という文字が付いているので紛らわしいのですが、「陳麻婆豆腐」は清の時代に成都の北郊外の万福橋で陳興盛飯舖(1862年〜)を営む陳森富の妻の劉氏が有り合わせの材料で労働者向けに作って売っていたものが発祥であり、豆板醤や辣油の辛さと花山椒の痺れが特徴(かなり辛くてビリビリする)の伝統ある料理です。「陳麻婆豆腐」があまりに美味しいと評判を呼び遠方からも客を呼び寄せるようになったためか、そのうち店名も「陳麻婆豆腐店」となり、中華人民共和国成立後は「陳麻婆豆腐店」は中国の国営企業にもなっています(なので「陳麻婆豆腐店」を名乗るためには成都市飲食公司の認可が必要です)。

最近では、郫県豆板醤を使用して花椒を強く効かせたものを「四川麻婆豆腐」または「陳麻婆豆腐」と称し、陳建民が日本人向けにアレンジした「麻婆豆腐」と区別する傾向があるようですが、実際は出すお店によって味のばらつきが大きく、全然花山椒感のない「陳麻麻婆豆腐」や「四川麻婆豆腐」もあったりします。特に「四川『風』麻婆豆腐」には地雷が多い気がします。何度煮え湯を飲まされたことか…。

ちなみに陳健民氏のお店として有名な『四川飯店』では、「陳麻婆豆腐」と「普通の麻婆豆腐(陳建民氏が考案)」の二種類が併売されています。これもややこしい…。自分は子どもの頃に雑学として「麻婆豆腐を広めたのは陳健民」ということを知ったため、「陳麻婆豆腐」というメニューを初めて見た時、「四川飯店の本格的な麻婆豆腐のことを、他と区別するために敢えて陳麻婆豆腐って言ってるんだな」と勝手に思い込んでました(上記の通り、全然別の料理です)。

 

お店へ

今回訪問したこちらのお店は、事前リサーチによれば「ちゃんと花山椒感がありスパイシーな風味が全面に出ている」とのことだったので、期待して訪問しました。

場所は山形県上山市。国道13号線バイパス沿い(山形市方面に北上する側)にあります。12:10頃お店に到着したのですが、駐車場は自分の一台分を残して満杯でした。平日のランチ時間だったので13:00過ぎにはサーッと皆さんいなくなりましたが。到着時、自分の前には一組2人待ちでしたが10分も待たずにカウンターに通されました。なお並ぶ際には店内のウェイティングボードに記名する必要があります(専用の台には置いてないので、店員さんに声をかける必要あり)。

 

陳麻婆烩飯

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オーダーはランチメニューから「陳麻婆烩飯」を。烩飯は「ほいはん」と読みます。中国漢字なので、日本語表記だと「会飯」となるようです。昔、人生初の「会飯」を焼津市で食べた時には日本語表記でした。「烩飯」はあんかけご飯の総称みたいですね。意味的には「麻婆豆腐丼」てことになるのでしょうか。

オーダーすると結構早く出てきました。こちらも10分足らず。この後蔵王で滑る身としては有り難い。しかし早く出てくるのは良いけど量多すぎでは⁉︎ 写真奥のスプーンは大人の普通サイズです。麻婆豆腐好きなので大盛りも検討したのですが、オーダーしなくて正解でした。多分絶対食べきれない量になる…。

味は、しっかり花山椒を感じられる絶品の「陳麻婆豆腐」でした。各種スパイスもたくさん使用されているようで、味に奥行きと深みがあります。一方で辛さも漢方系の後からじわじわくるタイプでしっかり辛いです。激辛というわけではないですが、食べ終える頃にはだいぶ汗をかきました。そしてしばらく身体のポカポカ感が持続していました。

 

おわりに

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山形でこんなに美味しい「陳麻婆豆腐」に出会えるとは思っていませんでした。今のところ新潟ではまだ出会えていない美味しさの麻婆豆腐なので、山形に来る楽しみがまた一つ増えました。

ただ、量が多い…。一人で食べ切るのに後半大変な思いをしました。もし2人ともこの「陳麻婆烩飯」を食べたいなら、大盛りでオーダーしてサイドメニュー(春巻きとか。あるか分からないけど)でも頼んでシェアしたら丁度いい量になると思います。

でも美味しかった!ぜひまた来たいと思います。次は他の中華系メニューにも行ってみようかな。