煮込みと酒と錦弥

新潟駅を万代口から出てバスセンターに向かう道すがら(流作場五差路を弁天公園の方に行く道沿い)に新しい居酒屋がオープンしていました。暖簾の雰囲気がすごく良くて、外から見える内装(暖かい木目調)も自分好みだったので、フラフラと引き寄せられるようにお邪魔しました。

 

赤星からスタート

f:id:Spiral_NT:20200204122841j:plain

ドリンクメニューには赤星がありました。赤星の法則(赤星が置いてあるお店はハズレが少ない;個人的法則)により期待値が高まります。普通のコップではなく陶器のグラスで出してくるあたりも「お酒を美味しく飲んでほしい」というコダワリを感じました。

 

鳥わさ

f:id:Spiral_NT:20200204122851j:plain

フードメニューには魅力的なアテが並んでいます。まずはサッパリ系の「鳥わさ」をオーダー。クセもなくて鶏肉の弾力が気持ち良いです。

 

ホッピーセット

f:id:Spiral_NT:20200204122859j:plain

2杯目は「ホッピーセット」で。赤星もホッピーもあるなんて素晴らしい!焼酎もちゃんと「キンミヤ」を使っているし、この時点でリピートほぼ確定です。

 

どちらかといえば黒

f:id:Spiral_NT:20200204122909j:plain

ホッピーは黒と白があるのですが、自分は90%くらいは「黒」を頼んでいる気がします。「白」だとちょっと薄くて甘く感じちゃうんですよね。

 

クラフトジン「季の美」

f:id:Spiral_NT:20200204122917j:plain

厨房の上にある棚に、様々なお酒が並んでいました。見たことない一升瓶があったので聞いてみると「京都で造られているクラフトジンです」とのこと。「ちょっと飲んでみたい」とジントニックをオーダーすると、「ジンそのものの味も見てみたいですか?」とわざわざジンとトニックウォーターを別々に出してくれました。酒飲みに対する思い遣りが深い…。

しかもトニックウォーターはプレミアムな「FEVER TREE」を使っています。BARならいざ知らず、居酒屋でこのトニックウォーターを使っているところはまだ見たことないです。人工甘味料や人工香料、保存料を一切使用していないトニックウォーターなので、他のトニックウォーターより割高なんですよね。かといってBARほどの値段を取るわけでもない。味へのこだわりが半端ないです。

 

【季の美 公HP】

https://kyotodistillery.jp/products/kinobi/ 

 

ツラミ煮込み

f:id:Spiral_NT:20200204122926j:plain

今まで聞いたこともないメニューでしたが「お店の名物メニュー」ということでオーダーしてみました。「ツラミって何ですか?」と聞いたところ、「顔(ツラ)のお肉」だそうです。正確には「牛の頬」。調べてみると、一頭の牛から少ししか取れない希少部位だそうです。

その「ツラミ」を、こちらのお店ではトロトロになるまで低温で煮込んでいます。箸でスッと切れるレベル。色を見ても分かる通り、染み込んだタレと相まって絶品の味わいでした。一緒に出てくる豆腐も、しっかり締まっている上に味が染み込んでいて美味しかったです。

 

黒ビール

f:id:Spiral_NT:20200204122936j:plain

ホッピーが終わってしまったので、黒つながりで「黒ビール」をオーダーしました。どの銘柄だったのかは失念してしまいましたが、「ツラミ煮込み」にはバッチリ合いました。

 

サケ エロティック「ヌメロシス」

f:id:Spiral_NT:20200204122945j:plain
f:id:Spiral_NT:20200204122954j:plain

日本酒メニューを眺めていたら「Sogga pere et  fils(ソガ・ペール・エ・フィス)」という珍しい日本酒がありました。製造元は小布施ワイナリー。本業はワイン醸造所ですが、『雪と厳冬でワイン作りができない数週間の間、スタッフ全員がワイン造りを離れて、趣味で極少量だけ造っている』日本酒です。最近は有名になってしまったのでどうか分かりませんが、「寒さなどの気象条件や材料の質(長野県産に拘る)が整わなければ造らない、あるいは造っても美味しいと思わなければ出荷しない」ということで「毎年必ず出るわけじゃない希少酒」というイメージを自分は持っていました。

なお刺激的な名前の由来は、「辛い恋慕や狂おしい恋愛を経た大人の男女にしか解らない小布施の酒の香味は、オコチャマの大人に間違って飲まれる危険性があるため、敢えて刺激的にしました」とのことです(ラベルに記載)。なかなか骨太な志向です。

味は、まさに白ワイン。ワイン蔵が造っているのだから当然という感もありますが、仕上がりは半端ないです。最初は軽やかにスッと入ってくるのですが、その後柑橘系の膨らみを見せ、ラストは渋み、苦味、そして酸味でスーッと引かせる。かなり複雑な味わいでした。良い意味で日本酒っぽくないお酒です。

 

京鴨刺し

f:id:Spiral_NT:20200204123004j:plain

あまりに日本酒が美味しかったので、「ここに合わせるなら鴨かな」とオーダーしました。めちゃくちゃ合いました。ちょっとお高めメニューでしたが、ソガに合わせるならこれくらいでないと。大満足の逸品でした。

 

おわりに

f:id:Spiral_NT:20200204123019j:plain

何の前情報もなく店構えだけでフラッと入ったお店ですが、大正解でした。お酒のレベルもアテのレベルも、界隈の居酒屋としては完全に頭ひとつ以上抜け出しています。調子に乗って頼んでいるとそれなりの値段になってしまいますが、全体的なコスパは居酒屋としては平均的だと思います。

しかも昼は13:00から通しで営業してるとか。レベルが高い上に使い勝手まで良いなんて素晴らしすぎる!今後通い倒したいお店の筆頭候補になりました。